奉仕の報酬

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る
奉仕の報酬

 「よい生活」とは、仕事では従業員が自分の望みを果たしてくれ、家に帰ればお手伝いさんが自分の必要に応じてくれるような生活――こんなふうに思っている人は多いのではないでしょうか。そして、奉仕する者から奉仕される者に変わろうとして、富を追求している。

 しかし、このようなライフスタイルは、実際は思っているほど楽しいものではない、と講演家のカヴェット・ロバートは言っています。彼は自分の論点を『王国の召使』と題するフランスの寓話を例に挙げて説明しています。

他人に奉仕できない世界は地獄だ

 ある日、王様の最良の召使が、宮殿の近くのうっそうとした森の中を歩いていた。すると、何かにつまずいて丘を転げ落ちてしまった。気がついてあたりを見回すと、足元に、有名な魔法のコップが転がっていた。それをこすると魔神が現れた。

 魔神は言った。
「お前がこのコップを見つけたのは偶然ではない。お前は生まれてからこのかた、身を粉にして働いてきた。だから、望みを一つかなえてやろう。だが、注意しろ。たった一つしかかなえてやれないのだからな」

 男は答えた。
「生まれてこの方、私はいつも他人に仕える立場ばかりに身を置いてきました。実際、『王国の召使』と呼ばれているほどです。
これからは、他人に仕えられ、奉仕される身分になりたい。そうですとも。私は立場を逆転させたいのです。何から何まで召使がやってくれるようになりたいんです」

 すると、どうだろう。男が城に帰り着くと、扉が彼のために開かれた。食事は他の者が用意し、食卓では給仕がつき、皿は洗ってもらえるし、衣服も整えてもらえる。
 男はいつもの仕事をすることを許されなかった。すべてのことがこの男のために行われた。

 最初の1カ月は珍しさも手伝って愉快に過ごした。2カ月目になると、男はいらだち始め、3カ月目にはもう我慢ができなくなった。
 そこで、男は森に戻し、歩き回って再び魔神を見つけた。男は言った。
「他人を自分に仕えさせるのは、思ったほど愉快なものではありませんでした。元の身分に戻って、『王国の召使』になりたいのです」

 魔神は答えた。
「すまないが、助けてやることはできないのだ。わしの力では、たった一つしか望みをかなえてやれないのでな」

 男は言った。
「だって、あなたはわかっていらっしゃらないんですよ。私は他の人たちに仕えたいんです。
何でも自分のためにやってもらうことより、他の人たちのためにやってあげることのほうが、はるかに価値があるんだってことがわかったんです」

 魔神は頭を振るだけだった。
 男は哀願した。
「私を助けてください。他人に仕えることができないんだったら、地獄にでも落ちたほうがまだましです」

 魔神は悲しげに言った。
「友よ、この3カ月間、お前がどこにいたと思っているのかね」
 それは地獄だったのである。

 これは、ナポレオン・ヒルとデニス・キンブロの共著『思考は現実化する あきらめなかった人々』(田中孝顕訳、きこ書房)でも紹介されている逸話です。この本では「世界で最も素晴らしいことは、他者の役に立てること」と言っています。

 自分の望みをすべて周りがやってくれる、これは一見、素晴らしいことです。しかし、それが一生続くとしたら……。 あなたはどちらの人生を望みますか?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

メールマガジンのご案内

ザ・インサイトを運営する株式会社エス・エス・アイでは、サイトの運営だけではなく、
メールマガジンの配信や書籍の販売、セミナーの開催など幅広く活動を行っております。

「学びたい」「成長したい」という気持ちを持つ方に、少しでもお手伝いができるよう日々ご案内しております。

サイトに掲載する情報だけではなく、是非メールマガジンも購読して頂き、人生を豊かにする情報を収集し、可能性を広げて頂ければと思います。

無料メールマガジンの登録は30秒ほどで完了致します。
サイトに掲載されていない自己啓発方法なども配信しておりますので、ぜひご登録ください。

※下記「メルマガ登録はこちら」ボタンより登録ページへ遷移できない際には、
お手数ですが問い合わせページから、題名を「メルマガ登録」とし送信いただけますよう、よろしくお願い致します。>>問い合わせページはこちら

※フリーメールアドレスなどを用いるとメルマガが届かない、迷惑メールフォルダに入ってしまうなどの可能性がございます。その際はお手数ですがアドレスの変更や迷惑メールフォルダの設定変更を何卒よろしくお願い致します。

メルマガ登録はこちら