自動成功メカニズムが目標達成へとあなたを導く

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自動成功メカニズム

(出典:『潜在意識が答えを知っている』マクスウェル・マルツ著、ダン・S・ケネディ編、田中孝顕訳、きこ書房)

 人間は、機械でもなければ、コンピュータでもない。しかしながら、人間というのは生まれながらにして、超高性能であり、コンピュータにも似た「成功への自動誘導システム」を持っていて、それを自在に使いこなすことができる。脳と神経系が目標へ邁進するメカニズム(成功メカニズム)を構成し、自動追尾式のミサイルや魚雷がターゲットを探して向かっていくように、自動的に目標を達成してくれるのだ。このような成功へのメカニズムは、誰にでも備わっている。まずはその事実を受け入れよう。
 動物もこの成功メカニズムを持っている。しかし、動物の成功メカニズムはあらかじめ組み込まれた目標(自己保存と繁殖)をイメージすることに限られており、私たちはそれを「本能」と呼ぶ。

 1984年、数学者のノバート・ウィナー博士はこうした人間や動物における運動制御と、そのための情報のやりとりを対象とした研究分野を示すのに、「サイバネティクス」という言葉を初めて使った。サイバネティクスという言葉は、もとはギリシャ語で「舵取り」を意味する。
 サーヴォ機構は、目標を達成する方角へ向かって自動的に舵を切ったり、外からの刺激に対して適切に反応したりする。同時に、自動的に問題を解決し、必要な答えを提示し、新しいアイディアやインスピレーションをわかせる。

 私たち人間の脳と神経系を、サイバネティクスの原理によって動くサーヴォ機構(心)の一種ととらえると、人間の行動の原理と理由について新たな知見が得られる。これを「サイコ・サイバネティクス」と名付けた。サイバネティクスの原理を人間の脳に応用したのである。

サーヴォ機構の動き
 サーヴォ機構は、大きく二つのタイプに分けられる。
①目標や答えがわかっていて、それに到達したり、それを成し遂げたりすることを目的としている。
②目標や答えがわかっておらず、それを探し当てることを目的としている。

それぞれのタイプについて、説明していこう。

<タイプ①の場合>

タイプ①

 最初のタイプの例は、自動追尾式の魚雷や迎撃ミサイルだ。目標である敵の艦船や飛行機、戦闘機に到達するのが目的である。この場合、ターゲットが明確になっていなければならないし、ターゲットへ向かわせる推進システムもいる。ターゲットからの情報を捉える「感覚器」も必要だ。
 この「感覚器」は、進路が正しくても(正のフィードバック)、誤っていても(負のフィードバック)、そのまま情報を伝える。
 正のフィードバックに対しては、マシンは反応しない。すでに正しいことをしているので、それまでどおり続ければいいのだ。

 しかし、負のフィードバックに対しては修正装置がなければならない。負のフィードバックによって進路の誤りが伝えられると、(たとえば右にそれているとすれば)修正メカニズムは自動的に舵を切ってマシンを左へ向ける。直しすぎて左にそれてしまったら、その誤りが負のフィードバックとして伝えられ、修正装置はマシンが右へ向かうように舵を戻す。こうしてミサイルは、前進し、誤りを犯し、修正を続けて、ついには目標に到達する。ジグザグの経路をとりながら、文字どおり「手探りで」目標へ向かうのである。

 ノバート・ウィナー博士は、これとよく似たことが人間の神経系でも起きていると考えた。目的のある活動をするときは、いつでもそれが起き、テーブルから鉛筆を拾い上げるといった実に単純な状況でもそうだと。
 私たちが鉛筆を拾うという目標を達成できるのは、自動制御メカニズムのおかげであり、意識的な思考だけではこれはできない。意識的な思考にできるのは、目標を選び、欲求によって行動を起こし、常に正しい方向へ向かうように自動制御メカニズムへ情報を伝えることだけだ。
 「あなた」が目標を選びそれに向けて行動を起こしたら、あとは自動制御メカニズムの出番となる。

 まずあなたはそれ以前に鉛筆を拾ったことがあるか、似たような連動をしたことがないといけない。それによりあなたの自動制御メカニズムは必要な反応を知っているはずなのだ。次に、自動制御メカニズムが、目から脳へ伝わったフィードバック・データを利用する。目は、脳に鉛筆までの距離を伝える。このフィードバック・データのおかげで、自動制御メカニズムは絶えずあなたの手の動きを修正し、鉛筆へと向かうのである。
 このメカニズムは、どうすれば成功したかを覚えている。成功は記憶し、失敗は忘れ、成功した行動を習慣として繰り返すのだ。

 だからこそ、どんな分野で成功を極めた達人も、やすやすと成功しているように見える。仕事のできる営業のプロたちは、客の拒絶や不安に即座に反応し、当意即妙の受け答えをする。その反応はもはや習慣となっていて、ある意味で本能的なものなのだ。あなたはすでに、自分の得意ないろいろな物事で、この域に達している。すでにできているからには、ほかの目標を選んでも間違いなくやり遂げられるに違いない。

<タイプ②の場合>

タイプ②

 部屋が真っ暗で、鉛筆がどこにあるのかわからない状況を考えてみよう。あなたには、テーブルにいろいろなものと一緒に鉛筆もあることがわかっている。すると無意識のうちに、あなたは手探りを始め、その手はジグザグの動き(「スキャニング」)をして物体を一つずつ排除し、やがて鉛筆を見つけて「認識」する。
 これは、サーヴォ機構の二番目のタイプを示している。ど忘れした名前を思い出すというのもそうだ。

 脳の「スキャナー」が正しい名前を見つけるまで記憶の中身をまさぐるのである。コンピュータもほぼ同じようにして、問題を解決する。まず、マシンに大量のデータを入れてやる必要がある。こうして蓄えられた(記憶された)情報が、マシンの記憶(メモリ)となる。それから問題が出されると、マシンは記憶をスキャニングして、やがて問題のすべての条件に合致する唯一つの答えを見つけ出す。問題と答えは一つのシステムを構成する。このシステムの片割れ(問題)が与えられると、マシンはぴったりはまるレンガのような、もう一つの片割れを見つけてシステムを完成させるのだ。

 新しいアイディアや何かの問題の答えを探そうとするときも、答えはどこかに存在していると信じ、それを見つけようとしなければならない。
 ノバート・ウィナー博士は言っている。「科学者が問題に取り組むとき、問題に答えがあると思うと、態度ががらりと変わる。その時点で、答えに至る道のりの50%くらいは通過してしまっているのだ。」
 セールスであれ、事業を営むのであれ、人間関係を改善するのであれ、人は何か創造的な作業に取り組むとき、まず目標を思い描く。目標とは成し遂げるべき目的やターゲットとなる答えだ。それは、ややあいまいかもしれないが、成し遂げられると「それだとわかる」。
 あなたが熱烈に何かを望み、問題をあらゆる角度から真剣に考えれば、あなたの持つ「創造のメカニズム」が動きだし、蓄えられた情報をスキャニングし、答えを模索する。

 このメカニズムは、アイディアや事実過去の一連の体験をあれこれ選び取り、それらを結びつけて一つの意味のあるものに仕立て上げる。それがあなたの環境に欠けている要素を埋め合わせ、ある種の方程式を完成させ、問題を解決してくれるのだ。この答えが意識に差し出されると――往々にしてほかの事を考えていて、ふと頭に浮かんだり、さらには意識が休眠状態のときに、夢に現れたりするのだが――ひらめきが生じ、すぐにそれが求めていた答えだとわかるのである。

自動成功メカニズムに任せよう

 自動成功メカニズムは、自動的に目標を追い求める非常に複雑なマシンであり、フィードバック・データと蓄えた情報を利用してターゲットに向かい、必要に応じて自動的に軌道修正を行う。だがそれを働かせていくためには、狙うべきターゲットがなければならない。ゴルフのインストラクターとして有名なアレックス・モリスンが言ったように、どんなことであれ、心の中で明確にイメージしてこそ、実行できるのである。

 必死に「それをしよう」とするのをやめ、目標を思い描き、後は創造的な自動成功メカニズムに任せよう。ただここで注意してもらいたいのだが、これは決して努力の必要はないという意味ではない。努力は有効に目標の達成へ向けられる。つまり何かを成し遂げようとしながら、別の結果をイメージしてしまういう無駄な葛藤をなくせるのである。

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