脳に支配されている「人間らしさ」

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人間らしさ

「心」

 誰もが持っている「心」には、さまざまな感情が伴い、性格を形成し、自身の思いを言葉にして発するという、一人の人間をつくり上げる役割があります。
 私たちが「心が苦しい」とか「心が躍るほど嬉しい」などと実感するとき、心臓がドキドキすることがあります。そのため、感情が湧き出る「心」は、胸にあるものだと思われがちでした。しかし、心の作用といわれている「意思」「感情」「本能」などは、脳にあるさまざまな機関と働きから生まれてくるものなのです。

 そこで唐突ですが、「脳とは何か」と質問されたとき、あなたは何を考えますか。
 質問に対する答えを考えることはもちろんでしょうが、「えーっ、そんなこと言われても……」と思ったり、解答を探し出そうと本を手に取ったり、インターネットで検索したりすることもあるでしょう。これらの自然な思いや行動は、すべて脳が指令を出して行っているのです。にわかには信じられないかもしれませんね。少し専門的になってしまうかもしれませんが、説明します。

脳からの指令


 脳は、人間以外の生物にも存在しますが、泣いたり怒ったり、笑ったりなど、さまざまな感情を司る働きがあるのは、人間だけです。
 これら喜怒哀楽などの、人間に自然に湧き起こる感情は、脳の前頭連合野と扁桃体と視床下部が源になっているといわれています。

 私たちの思考や学習、推論、創造、注意、意欲などの精神機能をコントロールしている部分である前頭連合野は脳の前側にあり、この部位が人間らしい精神活動を司っているといってもいいでしょう。今までに培ってきた知識や経験から、物事を判断する部分でもあります。

 そして、食欲や性欲など、本能的な欲望を生み出す中枢は、視床下部です。さらに扁桃体は、目の前にいる人物や物が「好き」か「嫌い」かを決定づける役割を持っています。
 これら視床下部や扁桃体は、感情の発生においても中心的な役割を果たしています。扁桃体は、扁桃体自体が判断した情報と、視床下部から送られてきた情報を分析して、「喜怒哀楽」の元になる感情を決定づけていくのです。

 ところがこれらの感情が、すべて人間の表情や行動に表れるというわけではありません。これらの(扁桃体で決定づけられた)むき出しにされた感情は、理性や知性を司る前頭連合野で調節されるのです。
 つまり、私たちの脳は知らず知らずのうちに、感情をコントロールしているということです。その行為が行われた上で初めて、私たちが感じた喜怒哀楽が、表情や行動に表れるのです。

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